Science Fiction

もしも君が、ほんとにこの話を聞きたいんならだな、まず、僕がどこで生まれたかとか、チャチな幼年時代はどんなだったのかとか、僕が生まれる前に両親は何をやってたかとか、そういったデーヴィッド・カパーフィールド式のくだんないことから聞きたがるかもしれないけどさ、実をいうと僕は、そんなことはしゃべりたくないんだな。第一、そういったことは僕には退屈だし、第二に、いや、やっぱりこの話はやめよう。ただ、中学生の頃に『SFハンドブック』なんて本を買っちゃってさ、そのためにこんな本の山と暮らさなくちゃならなくなったんだけど、それから、いろんなSFを読んだからね、その話をしようと思うだけなんだ。つまり、お薦めSF作品の紹介だな。今回は漫画に限定するわけだけどさ。

 

f:id:tvzoids:20130607033938j:plain

 

"白く輝く花のように天蓋を覆う鏡の太陽……

その口から大量の水を吐き続ける岩の巨人……

樹高千メートルを超す巨大な森の上空にそびえ立つ風船蔓は

今も大気を浄化し続けています

ここはかつて金星と呼ばれた世界――

数十億年もの間灼熱地獄だったこの惑星を

人類はたった三世紀で造り変えてしまいました――

しかしその後の一万年の歳月とこの惑星の圧倒的な自然は

取り残された人間たちから

かつての叡智を奪い去るに十分なほど過酷だったのです"

 

一冊目は菅原雅雪著『暁星記』全8巻。

僕は書店で表紙と帯に惹かれて購入したんだけどさ、その帯文を書いてたのが新井素子さんなんだな。「現代とは違う雄大な時間の河を流れる物語。単行本で読むのが一番ふさわしいお話だと思う」ってさ。連載してたのは『モーニング』だったんだけど、途中から『別冊モーニング』に移籍して、そう、この雑誌が季刊でさ。週刊から季刊ってどういうわけだよ、まったく。しまいに6巻以降は描き下ろし単行本ときたもんだ。まあ、無事に完結したからいいんだけどね。素子さんの言葉は正しかったってわけだ。でも雑誌掲載時は不人気だったのかもしれないけどさ、内容は素晴らしいんだぜ。宮崎駿著『風の谷のナウシカ』に匹敵するといえばその凄さがわかるかい? ああ、アニメじゃない、漫画の、原作だな。とにかくさ、架空の生態系、文化や習慣、何から何まで作り込んであるんだから、とんでもない作品だよ。

 

 

 

"NEW YORK CITY. EARLIER...

「Logan ! You are the Wolverine, yes ?」

「What's it to you, kid ?」

「My name is Fusa. My people need your help ! Please, Logan. We're being killed off. Only you can save us.」

「What are you talkin' about, darling ?」

「I'm sorry. There's no time for questions. Please... Just take my hand.」

CLICK

VWOOOSSH

「What the... ?!?!」

HRRRMMM

「No ! You mustn't let go during the transfer.」

「Transfer ?」

「Logan !!」

VWWWIIISSH"

 

二冊目は弐瓶勉著『SNIKT!』。

おっと、悪いな、もう時間がない。続きは近日中に書くからさ、何日か経ったらまた来てくれ。じゃあ、またな。